2024.11.2 Vol.16
「Out of My Thought」

今日のBGM①
Velocity of Water
Suki Sou




東京は雨の強弱に迷い、
傘の開け閉じや持ち歩きの可否を迷わせる。

福岡もこんな寒さを微睡むのだろうか。

タイムラインを異軸へ回避させ、
君を此処へ僅かに退避させた。

突然の雨と憂鬱からご機嫌を逸らすために。

読者の皆様は体調を崩されていない?
暖かくして、瀟洒を際立たせる冬への変化に、
順応して頂きたい。
自律神経も崩しやすいため、
緩くご用心を。



感性の授受に向き合うことは、
個との対面であり、
比較的小難しさはない。
しかし心と体の授受の相関関係が
シンメトリーかつアントニムでない
場合と事象もあり、
そこに苦しむ仮説もあるかもしれない。



東京の滞在では久し振りの疲労感を
背負いながら、
粛々と予定を進めた。

その後、京都と大阪にも滞在。
刺激と感性がTalesへ絡み込まれていく。

有難いことに、
今が一番楽しく瞬いている。

同時に別れもあるのだが、
出会いも多いので、
全く気になることがない。
ただ、別れた方々には
最大限の感謝を伝えたい。



今日のBGM②
Home
Brian Eno & David Byrne




現世ではどうにでも出来なかった。
でも、最大限の謝辞を此処に込める。

貴方は貴方の間合いを保ち続ける。

僕は仕方なく、いや必然的に狼狽えながらも
前に進まねばならないのだ。
感情を押し込めて、
終電のプラットフォームから
惜しく見送るこちらも辛いのだ。
同じ夜と色味への価値観の違いが
出たのだから。



村は故郷を捨てた人間を許さない。
これは古来からある日本の文化でもある。

何故人々の可能性や
価値観を高め合わず、
留まり続けることを
美徳とするのだろう。

文化の発展や営みの素晴らしさを
意固地な何かが掻き消してしまっている。

そして、純粋な心を見失ってしまっている。
空気を読め。とは相当に穿った態度であり、
そういう態度が常態化し規則化する
コミューンに感性の更新への寄与は皆無。

コミューンに居ることにより、
何も俯瞰出来ず、
結果的に他人であることから、
都合が悪くなれば切り捨て、
何かを巻き上げていく。

それで疑似家族は成立するのだろうか?
成立するのはいつまで? どこまで救える?

コミューンの維持は発展における
退化や後進を指しており、
最終的に誰にも何も齎さないのだ。



まだ言い訳が言いたい。
承知した。



コミューンの規則化は正しい。
しかしコミューンの常識や概念は
マスコミュニケーションや大衆的な概念と
価値観と沿うことは
有り得ない場合が多いのだ。

例えば、フランスの各職種のカルチャーや常識、
それも世代毎によって違う概念が、
福岡市の〜で通じるのだろうか。
そういう小難しさを越えたバイブスだけが
分かり合える唯一の手段である。

お酒が入ったときの話なんて〜というが、
逆に僕はそこで介在する
主たる自我が本心と見ているので、
言い訳なんて通じない。

そもそも、紳士や淑女としての
美学から軸に話すには、
途轍もなく目が当てれられない惨事を
撒き散らすだけなのだ。

今は純化された感性を基軸に前へと進む。
根拠は無いが、
ただ進むしか答えを含まない。





今日のBGM③
Everybody's Paris, Pt. I 
Sandro Perri



朝早くに目を開くと、
まだ薄暗い。

久しぶりに睡眠が上手く取れなかった朝は
少し気怠さと心地悪さを介在させる。
冷蔵庫から水を取り、
どのくらいのmlか予測か付かない、
曖昧な渇きへ水分を目分量で浸していく。




沈む夕刻。

新幹線から眺める車窓が好きだ。
久しぶりに大衆を揺らし直走る
芸能人と会ったことを思い出す。
僕らは連絡先を交換していないが、
会うと話す。
こういう現代における曖昧さを
大切にしている。

彼は飛行機が苦手らしく、
飛行機に乗る仕事を断るらしい。
僕も新幹線に乗るのが好きなことを知ると、
一気に盛り上がっていき、
空気も加速する。

そして高揚し、また互いは
曖昧に雑踏へ消えていく。

まるで新幹線の車窓のような
キネマトグラフみたく。




マチネの終わりに。
をカフェで読み上げた。
そして、文末で何かが込み上げる。

エスプレッソ寄りのコーヒーは
何かの気付きを強めのカフェインで
気を効かせる粋さを示すのだろうか。

邪推しても仕方が無い。
今日はコーヒーから愛想を尽かされた。

仕方なく傘なき雨の世界へと浸る。
今は意味無く東京の雨と風で
埋まらない何かで有意義な憂鬱を
仄かに埋めたかったのかもしれない。




移動中に声をかけられる。
普段はあり得ない。

互いに待ち合わせの時間があったため、
日常に戻る時間を計算してのお茶。

偶然とは不思議なモノで、
会いたいときに会いたい方に
会えるものなのだから。




事故か天災による爆風から
逃げ果てた後に
景色がホワイトアウトする夢を見る。

建物から飛び降りた時間の経過を
酷く長く感じる超ハイスピードカメラの
ような 描写も見るし、
義務教育時に虐められ、
僕に助け舟を出してくれたあの人を思い出した。

ある日。ある駅の向こう側の
プラットフォームへ
僕を守ってくれた先生を見つける。
きっとそこに住んでいるのかもしれない。

しかし、先生の顔色は良くなかった。

色々と邪推する。

そして視界を電車が遮り、
先生は消えた。
僕もその邪推を止めた。
ただ幸せを感じていてほしい。





一度だけ会った彼女を思い出す。
デートをしたのも彼女が初めてだった。
そして、お互い銀杏BOYZが好きだった。

最近彼女が結婚したことを知る。
素晴らしいことだし、
彼女のような人を幸せにすると
考えられる人がいるのは当然。

彼女を振ったのが僕だった。
何の理由も落ち度も無かった。
ただ別れたかったのだ。

たくさん電話をして、
携帯の電話代が数万円に達したこともある。
今のようにSkypeやLINEが無い時代の話。
その時は電話をするためにアルバイトを
していたのだから、妙な話だ。

彼女との最後の電話で
言われたことが今でも忘れられない。



『僕が好きな理想の女性になるから、
どんなことでもするから
正直に教えて』




今の僕だったら、
邪推せずとも分かる。
本当に僕を好きでいてくれたのだと。

あの子と一緒にあの大学を目指していたら
そして同じ方向を目指していたら
間違いなく今この文書を書く自分は
いないのだから複雑だ。

いつか、あの時のことを心から謝りたいと思う。
それが僕が光になるまでに
成し遂げたいことの一つだ。
だから今ここで戒めとして記すのだ。

君がずっと幸せでいられるだけで幸せだ。
そして、君の立場であの目標が
どうしてそこまで遠かったのかのだけを聞き、
埋まらない未完のパズルを埋めたい。




 今日のBGM④
夢の中で会えるでしょう(1995 TV Studio Live Ver.)
坂本龍一 & 高野寛




あの秋気の刹那がクロノシスタス。
あの時、僕の周りだけ。
あの空気や香りを
何処まで覚えていられるかな。

僕は酷く無力だ。何も出来ない。
目を瞑ると冷えた秒針はまだ止まり、
キネマトグラフが
今かと始まろうとしている。

僕だけのキネマトグラフは無音で。
その場にいた僕を照らしている。
ただ何も無く、ただ何も出来ず。

不思議なことに、そこは邪推は無く、
素直に脆くも何かを信じられたのだ。

現実にタイムラプスすると、
クロノスタシスは疾走し彼方へ消えた。
東京から離れる僕はそのクロノスタシスを
いつまで大切に覚えられていられるのかな。




また新幹線の夜景へ目を向ける。
あのクロノスタシスが
浮かび上がるいつかが来ると信じて。